平成16年度学術講演会 (インプラント導入講習会〜Branemark System〜) |
平成17年1月30日に長崎県歯科医師会において、ノーベルバイオケア社の共催で、ブローネマルクインプラント導入講習会が開かれました。講師として久留米大学医学部口腔外科学講座助教授で聖マリア病院口腔外科診療科長である豊福司生先生と、4期生で長崎大学大学院医歯薬学総合研究科発生分化機能再建学講座摂食機能回復診断治療学分野(旧第1補綴科)助教授、インプラント室副室長の澤瀬隆先生の2人をお招きし、それぞれ、インプラント治療における外科処置について、また、補綴処置について講演をしていただきました。今回、ノーベルバイオケア社から機材を20組お借りして、豊福先生の説明を元に、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科発生分化機能再建学講座顎口腔機能再建学分野(旧第2口腔外科)出身の二宮(1期)、成松(8期)、入江(9期)、横田(11期)の各先生にもお手伝いいただき、2人1組でインプラント埋入術式の実習を行うことができました。
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昼休みをはさみ、午後は、まず、実習を行いました。実習は各人下顎骨のプラスティック模型に1本のインプラントを埋入するものでした。実際にインプラントを導入していない先生も多く、同窓生である先生に実地の指導をいただけたことで、受講された先生も質問しやすく、また、行き届いた実習となったと思われます。
実習後、澤瀬先生にインプラント補綴について、インプラントと天然歯の違い、インプラントの構造、1回法・2回法、セメント固定・スクリュー固定、プロセラによる補綴、ケースプレゼンテーションの説明がなされました。とくに補綴物の固定法については、咬合や、審美性、維持、適合、可撤性、コストの面
から詳しい説明がありました。
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従来、インプラント補綴ではパッシブフィットが必要とされ、スクリュー固定が良いとされていましたが、今回、いままで、許容されないと思われていた適合性の悪い補綴においても、補綴5年経過後の骨レベルに変化がなかったという文献の紹介があり、必ずしもセメント固定が悪いということではないということでした。ただし、セメント固定を選択した際、インプラントでは、難組織との結合様式が天然歯と違い、炎症性の骨吸収を起こしやすいため、縁下の余剰セメントの徹底した除去が必要ということが解説されました。
最後に現在、世界的に下顎無歯顎の治療としては2本のインプラントによるオーバーデンチャーが推奨されているとのお話で講演を終えました。
今回45名の参加者があり、遠方からのご出席もいただき、インプラント治療への興味の高さがうかがえました。また、実習もあったため、従来の講演会より集中でき、充実したものとなりました。
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岩本 宏明(9期)
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