平成16年度学術講演会 |
平成17年2月13日(日)本年度第3回学術講演会が開催されました。講師として、スタディグループCCD会長 佐賀県 船津歯科医院 船津昌利先生、佐賀県 堀江歯科診療所 岩永正憲先生、宮崎県 アイル歯科医院 甲斐久順先生をお迎えし、「日常臨床をより確実にするために 〜一歯単位
の診断処置からチーム歯科医療の実践まで〜 」の演題にてご講演いただきました。
個々の症例に於ける問題点を、詳細な術前診査、診断、模型診査とシュミレーションから多方面
に検討し、治療目標に向けて術式を選択、実践していく過程が実例を通してスライド、ムービーを交えながら紹介されました。
設定された治療目標、即ちゴールのイメージを具現化していくために、矯正医等の専門医、歯科技工士らと情報を共有し、チームとして臨床にあたるなかで、時には大胆に最新の外科的手法を取り入れ、また一方で個々の歯牙の処置においては実に基本に忠実に術式を再考しており、参考にすべき点が多く語られていました。我々が日常的に頻繁に行っているレジン充填においてもより確実にその物性を発揮させるためにラバーダムを効果
的に使用することやインレーの形態と適合についての再考察など、最も基本的かつ重要ながらも、ついおろそかにしてしまっている問題を指摘され、反省させられた参加者も多かったのではないでしょうか。提示された症例のなかでもインプラント、再生療法などダイナミックな外科的手法に目を奪われがちですが、一つ一つの術式に於いて、切開線の設定、縫合など基本的手技をとても大切にしている一面
は印象的でした。
歯科医療に対するニーズがますます多様化していく中、一つの症例に対して、歯科医師、専門医、歯科技工士、歯科衛生士がそれぞれの専門的視点から意見を出し合い、チームとして対応する手法は今後ますます必然となっていくことが予想され、参加者にとって大変得るものの多い会となりました。
また、今回、本学同窓生である岩永先生(6期生)、甲斐先生(8期生)を講師としてお招きし、お二人の臨床現場での活躍の一端を垣間見る事ができ、我々会員にとっては大きな励みとなり、目標となったことと思います。講演会をリードしてくださいました船津先生そしてお二人の同窓生に、この場をお借りして、学術担当から御礼申し上げます。
本会の参加者は64名、盛会となりました。今後ますます多くの会員の皆様の参加をお待ちしております。
学術担当 5期 山崎浩