平成9年度学術講演会
前回 一覧 次回

 平成10年1月24日(土)、午後3時より長崎大学歯学部5階第一講義室にて、平成9年度の学術講演会を行いました。受講者は、約80名でした。
 講師には、当大学の1986年卒の第1期生であります、市丸英二先生をお招きし、「総合的歯科治療をふまえた歯周治療の流れと実践」という演題でご講演いただきました。講師の市丸先生は、卒業後、当大学の第二保存科の大学院に進学され、大学院卒業後、助手として4年間、歯周病学を専門にされ、1995年に米国スタンフォード大学医学部に留学され、1997年10月より、熊本県の中村歯科に勤務されています。また、初代の同窓会の会長をされていた方です。
 講演では、個人個人多様性のある歯周病において予知性の高い歯科治療を行うため、どのように検査データを解析して診断をたて、治療計画を立てているかを経験された症例を交えお話していただきました。
 内容については、まずこの予知性のある歯科治療を行うための、診査診断から得られるデータをもとに多様性を呈する疾患に共通 点と相違点を見いだし分類する基準について説明があり、それをもとにした補綴処置、メインテナンスまで見越した治療計画の立案について、またその治療について説明がありました。例えば歯周組織の炎症の除去、う蝕処置、咬合治療、組織の再生、インプラント、矯正治療といった処置をいつ、どのように行うのかを立案しているか、さらにどのように実践しているか、あるいはその問題点などを詳しく解説していただきました。
 市丸先生は、初めての講演でありましたせいか最初は緊張もみられましたが、話が進むごとにいつもの流暢な市丸節にかわり熱演されました。質疑応答では、受講者よりいろいろな臨床上の疑問点や顎関節や咬合に関してなどの活発な質問がありました。講演後には興味深いところであるインプラント、GTR、GBRや矯正治療等も交えてあり、よかったという意見が多くありました。

学術 北浦英樹