平成10年度第2回学術講演会 |
平成11年1月23日(土)、午後3時より長崎大学歯学部5階第一講義室にて、平成10年度の学術講演会を行いました。受講者は、約40名でした。
講師には、当大学の1986年卒の第1期生であります、別府孝洋先生をお招きし、「障害を持つ患者のための歯科診療 〜開業医での実践をふまえて〜」という演題でご講演いただきました。講師の別
府先生は、卒業後、当大学の第一口腔外科に入局され、麻酔を専門として平成2年まで勤務されてました。その間の平成元年に歯科麻酔の認定医を取得されています。その後、福岡市の歯科医院に勤務されました。その間、重症心身障害児施設・久山療育園の歯科に非常勤として勤務されておりました。その後、平成6年から8年まで久留米市の聖マリア病院・障害歯科の医長として勤務されておりました。平成8年に障害者歯科専門として久留米市にべっぷ歯科医院を開業されており、障害者歯科に関して活発に活動をされております。
講演では、障害を持つ患者を如何に一般開業歯科医院で受け入れているかビデオなどをまじえて、実際にどのように実践しているのか、その後、患者がどのように歯科治療になじんできているか、各障害によってどのように治療を進めていくか等をお話していただきました。別
府先生は、学生時代からボランティアで障害児や障害者の方とずっと接しており、たまには一緒に銭湯に行ったり食事をしたり、生活をともにすることもあったことなどの経験から、患者への接し方を自分の経験を元にお話していただきました。障害を持つ患者に対しての別
府先生の熱き心が伝わってくる感動さえおぼえる内容でした。
別府先生は、当初、体調を崩されており、病み上がりであるということでしたが講演が始まると全然そのようなことは、感じさせないような熱演されました。質疑応答では、受講者より実際に自分の医院に来院されている患者についての治療方針についてや、ダウン症など心疾患を持つ患者に対する感染根管治療のことについてなどの活発な質問がありました。また、歯科麻酔科の大井教授がそれらのことに関して、学会レベルでは、どういう見解がされているのか等の意見も出るなど、充実した質疑応答でありました。講演後にも別
府先生の人柄を含めてよかったという意見が多くありました。
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学術 北浦英樹
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