平成12年度第2回学術講演会
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 平成12年9月3日(日)、午前10時から午後4時まで長崎大学歯学部5階第一講義室にて、平成12年度の学術講演会が行われました。講師には、熊本市より永田省蔵先生をお招きし、「下顎位 とガイドの捉え方と実際」という演題でご講演をいただきました。受講者は、約60名で、同窓会会員以外の先生や本学学生の参加も多数ありました。
 私たちの臨床では、常に咬合との関わりをもちながら処置が進められますが、その咬合を理解するうえで、下顎位 とガイドに分けて考えることが必要です。そこで今回、下顎位について再建における目標をどのように考え、設定するか、また、ガイドについては生体のガイドをどのように判定すべきかを考え、考慮するべきこと、作業目標について講演して頂きました。
 講演内容は、下顎位の考え方としては下顎位の何を基準に咬合位をつくるのか、下顎位 の決定において中心位が適用される例、中心位における咬合採得や咬合診断において装置に必要な条件、そしてこれらの条件を満たすことができる装置としてゴシックアーチ描記法とアンテリアジグがあるとのことです。そして歯列の様々な状況に対してその咬合採得法とこれらをどのように決定し模型に移すかについて、またガイドの考え方、咬合と顎関節、そして欠損歯列のすみ分けと咬合の注意点などに基づいて多数の臨床症例を用いながら講演して頂きました。またゴシックアーチ描記法やアンテリアジグについては実際にヒトや模型を用いて実習をまじえながら、長時間にわたりお話しして頂きました。質疑応答においても、多数の質問がなされ大盛況のうちに講演が終了しました。講`内容は高度でありましたが、スライドおよび実習をまじえながらの講演であったため非常にわかりやすく、明日の臨床にすぐに結びつく内容の濃いものでありました。

学術 内田憲二